2020年6月に、NHKBS8Kで放送されたドラマを、スクリーンサイズや色調を新たにし、劇場版として再編集した作品。, 軍国主義へと向かっていく1940年の日本を舞台に、国家機密を知った事で反逆を企てる優作と、その優作と共に生きる決心をした妻の聡子を描いミステリー。, 『寝ても覚めても』(2018年)の監督、濱口竜介と『ハッピーアワー』(2015年)の脚本を担当した野原位が、恩師の黒沢清と共同で、重厚な脚本を完成させました。, 主人公の聡子を『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)で映画デビュー後、『フラガール』(2006年)『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年)などで数々の賞を受賞している蒼井優。, 聡子の夫である優作を、舞台を中心に活躍後、『空飛ぶタイヤ』『嘘を愛する女』『億男』(全て2018年)での演技が評価され「第31回日刊スポーツ映画大賞助演男優賞」を受賞するなど、舞台や映像作品で幅広く活躍している高橋一生。, 泰治は優作の妻、聡子の幼馴染で、面識のある優作は泰治を迎えますが、泰治の表情は険しいままです。, 実は優作の友人で、生糸の商人であるドラモンドが、諜報部員の容疑をかけられ逮捕されていました。, 泰治は、優作に「人付き合いを改めるように」忠告しますが、優作は真面目には受け入れずに笑い飛ばします。, 豪邸で、裕福な暮らしを送る優作は、聡子と、優作の貿易会社で働く、甥の竹下文雄と共に、趣味で映画を製作していました。, 聡子は何不自由なく、幸せな毎日を送っていましたが、優作から、2週間満州に渡る事を報告されます。, 優作は、取引相手である野崎医師から依頼された薬品を入手する為、物価が安い満州へ渡る目的がありますが、優作には「本当に危なくなる前に、満州を実際に見てみたい」という想いもありました。, 泰治は、西洋の文化を好む優作と聡子の生活を危惧し「あなた達には普通の生活が、世間からは非難の対象になる」と忠告をします。, 満州から帰国した優作と文雄を出迎えた聡子は、2人の無事を知り安堵しますが、優作は一緒に帰国した女性に、何か目で合図を送っている様子でした。, 優作が撮影した映画が上映され盛り上がった後に、文雄が突然、貿易会社を退社し、小説家になる事を報告します。, 文雄の退職を知らなかった聡子は驚きますが、さらに忘年会終わりに、優作からアメリカへ渡る相談をされ、聡子は戸惑います。, 聡子は泰治に呼び出され、有馬で発見された水死体は、草壁弘子という女性で、優作が満州から連れ帰った女性である事を聞かされます。, さらに、弘子を「たちばな」で雇うように頼み込んだのは優作だった為、憲兵隊により容疑をかけられていました。, 憲兵隊の調べにより、優作の潔白は証明されますが、同じ「たちばな」に宿泊している文雄には、容疑がかけられたままでした。, 泰治から受けた取り調べを終え、帰宅した聡子は、夕食の席で弘子の事を優作に問いただします。, 優作は、弘子と関りがある事を否定しませんでしたが、優作と文雄が抱える秘密について、何も語りません。, 文雄は「あなたは、何も知らない」と聡子を最初は拒絶しますが、突然、茶色の封筒を聡子に渡します。, 文雄は憲兵に容疑をかけられ、常に見張られている状況となり、封筒を聡子に託したのです。, 聡子は貿易会社を訪ね、優作に封筒を渡そうとしますが、代わりに真実を語る事を条件にします。, 医薬品を入手する為に、関東軍の研究施設を訪れた優作は、ペストによる死体の山を目撃しました。, 優作は、満州で看護師をしており、軍医の愛人だった弘子から、関東軍が細菌兵器の実験をしており、その人体実験で次々に人が死亡しているという話を聞きます。, 優作は、人体実験の詳細が書かれたノートを入手しており、それを文雄に英訳させていました。, その資料を使い、関東軍の人体実験の真実を、国際政治の場で発表しようとしていたのです。, 聡子は優作を止めますが、優作は「日本国家の正義ではなく、絶対的な正義を選択する」と聡子に伝えます。, 数日後、聡子は優作の貿易会社の地下室に行き、金庫に隠してあったノートとフィルムを持ち出します。, さらに、優作も憲兵に捕まりますが、文雄が「全て自分が1人でやった事」と優作の名を出さなかった事と、亡くなった弘子は旅館の主人の犯行である事が判明した為、優作の容疑が晴れます。, ですが、泰治はノートを持ってきたのが聡子である事を伝え「自分は、あの人を不幸にしたくない」と語ります。, ですが、聡子は泰治に渡したノートとは別に、英訳した方の人体実験に関する資料は残していました。, これと、優作が保管していた、関東軍の人体実験の様子が記録された映像を使えば、国際政治の場で発表するのに有力な証拠となります。, さらに、優作は弘子から預かった、もう一つの映像記録がある事を聡子に伝え「ドラモンドに保管してもらっていたが、記録映像と引き換えに大金を要求してきた」と語ります。, 日本への経済制裁である「ABCD包囲網」が張られた事で、告発の為にアメリカへ渡る方法は、亡命しか残っていません。, 聡子は優作と共に、亡命の準備を進め、ドラモンドへ渡す為の、金品を準備していきます。, 亡命の準備を進める中で、聡子は自分が優作の役に立っている事を実感し、喜びを感じます。, 優作は亡命するにあたり、危険回避の為、2手に分かれてアメリカに亡命する事を提案します。, 聡子は記録映像を持ってアメリカ行きの渡航戦に乗り、優作は人体実験の資料を持ち、別ルートでドラモンがいる上海を訪ね、その後にアメリカで合流するという計画です。, 優作と別れた聡子は、アメリカへ渡る為に船の貨物に隠れますが、乗り込んできた憲兵に捕まります。, 聡子は泰治の取り調べを受けますが、そこにいたのは過去の優しかった泰治ではなく、国家への反逆者は誰も許さない、冷徹な憲兵でした。, 聡子は持っていた記録映像を見て「関東軍がいかに残酷かを判断してほしい」と望み、それを受け入れた泰治は、記録映像を流します。, 聡子は、発狂したことから軍の病院に入院させられており、周囲からも警戒される存在になっていました。, そこへ、野崎医師が訪ねて来て、聡子が退院できるよう交渉しようとしますが、聡子は「ここにいる事を、自分で納得している」と野崎医師の提案を拒否します。, さらに野崎医師から、優作が乗っていたとされるアメリカ行きの船が、日本軍の潜水艦に破壊された事を聞かされます。, (C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I Twitter : @Blog_Machinaka こんにちは! Machinakaです!! Twitterもやってます! @Blog_Machinaka この記事では、「スパイの妻 劇場版」のネタバレあり感想解説記事を書いています。 目次 まえがき あらすじ 「スパイの妻 劇場版」のネタバレありの感想と解説(短評) 非常に面を食らった冒頭 恐ろしい国家機密が分かるまで… 映画『スパイの妻』のあらすじとネタバレ (C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I 1940年の日本。 日独伊の三国同盟が締結され、日本にも戦争の足音が近づいていた時代。 福原優作は、貿易商を営んでおり、神戸で裕福な暮らしをしていました。 | 第二次世界大戦中の1940年を舞台に、国家機密を知ってしまった優作と、優作を信じ「スパイの妻」として生きる事を決意した、妻の聡子のドラマを描いた映画『スパイの妻』。, 『CURE』(1997年)や『回路』(2001年)などで、世界的にも多くのファンを持つ黒沢清監督が、歴史の闇に初めて挑んだ本作は、「第77回ヴェネツィア国際映画祭」で監督賞にあたる「銀獅子賞」を獲得した事でも話題になっています。, 重い時代背景とテーマを背負いながら、最高の娯楽作に仕上がっている、本作の魅力をご紹介します。, (C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I 【公開】 2020年公開(日本映画), 【作品概要】] All rights reserved. /, 「ビューティフルドリーマー」(C)2020「ビューティフルドリーマー」製作委員会 /. ブログを報告する, もう黒澤監督ということで、まったくもって心配しておりません。私はただ、映画館に足を踏み入れるだけです。, 黒澤監督でスパイものって観たことないんですけど、一体どんな作品になってるんでしょうか。。。, 謎の太っちょ白人が憲兵隊に逮捕されるところが写り、日本がイギリスに対抗する様子を冒頭に映すという点でなんか「ミッドウェイ」を思い出すなぁと、最初はそれくらいに思ってました。, もう一つ面を食らったのが、今作にとって重要な「恐ろしい国家機密」が分かるまでがいびつなまでに長いこと。, 私のイメージでは、恐ろしい国家機密の概要くらい、冒頭で教えてくれるのかと思ってました。そして、国家機密の全容を暴くためにスパイの高橋一生と、スパイの妻である蒼井優がタッグを組んでいくような、そんな話かと思ってたんですよ。, タイトルが「スパイの妻」というだけあって、とりわけ蒼井優が主人公となって、戦時下の妻の苦悩と葛藤が絶妙に描かれている作品なんだと、思っています。, 国家機密自体が重要ではなくて、あくまで国家機密は夫婦間の隠し事というメタファーにもなってるんですよね。, 夫婦間の隠し事があると信じて疑わない蒼井優演じる聡子は、草壁弘子と優作が不倫しているに違いないと、疑ってやまない。, 一つスパイ的な要素があるとしたら、戦争映画でもスパイ映画でもなく、夫婦映画ということを隠していた点くらいだと思います。, こんにちは! Machinakaです!! Twitterもやってます! @Blog_…, 映画「スパイの妻 劇場版」ネタバレあり感想解説と評価 黒沢清による戦争映画に「隠された」夫婦の熱い愛, 映画「精神0」ネタバレあり感想解説と評価 演出なしの究極ドキュメンタリーが映す「生の偉業」, 映画「ヘレディタリー継承」4DXネタバレあり感想解説+公開直前の予想SP お化け屋敷か?それともホラ…, 映画「劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明」4DXネタバレあり感想解説 体全体で、プルシュカを感じる…, 映画「ロマンスドール」ネタバレあり感想解説と評価 高橋一生さんベストアクト!これぞ女性版「宮本から君…, 映画「サマーウォーズ」4DXネタバレあり感想解説+直前大予想! 劇場がOZになる!花札シーンで奇跡が…, 映画「罪の声」ネタバレあり感想解説と評価 東宝お得意の「元号変わる前に何とかしろ!」ジャンル最高傑作!, 映画「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」ネタバレあり感想解説と評価 原作未読の映画好きオジサンによる初無限列車体験談, 映画「星の子」ネタバレあり感想解説と評価 目には見えない、家族の絆。あの水のメタファーを徹底考察!, 映画「82年生まれ、キム・ジヨン」ネタバレあり感想解説と評価 フェミニズム、なんて括りはしたくない. スパイの妻 劇場版の映画レビュー・感想・評価一覧。映画レビュー全147件。評価3.5。みんなの映画を見た感想・評価を投稿。 本作はフィクションなのですが、スパイを摘発する為に憲兵隊が作られたのも事実ですし、満州で、通称「731部隊」による人体実験が行われたのも事実です。, 作中に登場する人体実験の記録映像は、黒沢監督が撮影したものですが、そういった映像を「見た」という証言も実際にあるようです。, 1940年という、日本が戦争により混乱し、軍部が暴走を始めたとも言える時代背景を、本作は史実を取り入れる事で、作品内に当時の日本の空気を反映させています。, 作品の序盤では穏やかで、聡子と優作を心配する様子すら見せていた泰治は、後半では国家の為に動く、情け容赦のない人間として描かれています。, 当時としては、泰治の考えが常識的で、聡子と優作は、国家に損失を与える反逆者となります。, そんな時代背景の中でも、自身の幸せを追い求めようとした聡子の姿は力強く、黒沢監督も「個人が幸福を求めていくと、必ず壁に激突し、そこに緊張や葛藤が生まれる」と語っています。, 『スパイの妻』は、太平洋戦争の是非を問う作品ではなく、どんな状況下でも幸せを追い求める人間ドラマであり、観客すらも煙にまく極上のミステリー作品でもあり、一言で表現すると最高の娯楽作品です。, 「現代劇」ではなく「時代劇」で、原作もなく実話でもない、オリジナルの企画による、こういった見応えのある娯楽作品が誕生したというのは、今後の邦画において、かなり意味のある事ではないでしょうか?, 『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』あらすじネタバレと感想。ハプニングだらけの世界旅行で見えたものは, 世界30か国で販売された小説、「IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅」。この人気作が国際色豊かなキャストで映画化されました。 こうして誕生した作品が、『クローゼットに閉じこめられた僕 …, 『ある少年の告白』ネタバレ感想。映画の結末で殻を破ることが出来た人間たちの可能性を示唆, NYタイムズ紙がベストセラーに選んだ 胸打つ衝撃の実話を映画化! 黒沢清監督作品はVシネマも含め大半を好ましく鑑賞してきたが、この4年ほどの映画には以前ほど乗り切れずにいる。「スパイの妻」は現代や近未来の日本でない舞台設定や、古風さや格調高さが趣になっている点で、「ダゲレオタイプの女」(16)に近い印象を受けた。今作のある種舞台劇のような台詞も、現代口語からの異化という点で外国語に近い効果があった。蒼井優と高橋一生は台詞回しを含め難しい役に健闘したと思う。振り返るに、黒沢映画の恐怖や暴力の表現を通じて人間の本質を鋭くえぐり提示するような衝撃と刺激に虜になっていたのだが、近作ではそんな要素が希薄になった気がし、物足りなく感じるのかもしれない。監督の成熟と進化であり、作品としてソフィスティケートされてきたのは確かだが、それに追いつけないもどかしさが乗り切れない理由かも。「岸辺の旅」(15)あたりまではキャッチアップできている気がしていたのになあ…。, 本作は今年のベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞しました。1940年の「太平洋戦争前夜の神戸」が舞台の中心となっていますが、この舞台や美術、装飾などが意外に凝っています。これは、製作にNHKがかかわっているため、割と豪華で緻密な撮影を敢行することができたようです。通常の作品では雑音が入ったりして「アフレコ」で後から声を入れます。ところが本作では、メインキャストは撮影時のままの声をそのまま使っていて、それがリアリティの源泉にもなっていました。貿易会社の社長に扮するのは高橋一生で、映画のタイトルにもあるように、ちょっと謎な感じの人物を飄々と演じています。そして、その妻に扮する蒼井優は、夫の「謎」に翻弄されながらも、高橋一生と「騙しあい」を繰り広げ、その怪演が見どころです。さらには、蒼井優が扮する聡子を心配すると同時に、国家への忠誠を守らなければならない憲兵に扮する東出昌大も緊迫感のあるシーンを見事に演じ切っていました。独自性もあり、歴史の闇に迫った意欲的なサスペンス映画だと思います。, 元々は今年6月にNHK BS8Kで放送された同名ドラマを、劇場版としてスクリーンサイズや色調を新たにし、1本に再編集したものです。物語の舞台は太平洋戦争前夜、1940年の日本。相反するものに揺さぶられながら、抗えない時勢にのまれていく夫婦の愛と正義を賭けた様を描いています。ロケ地、衣裳、美術、台詞まわし、すべてにこだわったというだけに一級のミステリーエンターテインメントに仕上がっていて、これまで黒沢清監督が手掛けてきたものとは一線を画すようなテーマ、物語とも言えますが、8K・スーパーハイビジョン(超高解像度のテレビ規格)撮影によるその映像表現には舌を巻きました。脚本には「寝ても覚めても」の濱口竜介、「ハッピーアワー」の野原位と海外で評価された才能が参加し、音楽は「ペトロールズ」「東京事変」で活躍するミュージシャンの長岡亮介が手掛け、黒沢監督よりも若い世代との化学反応を起こしています。そして、美術の安宅紀史、衣裳の纐纈春樹が再現した昭和初期の世界観も見どころのひとつです。主演は、テレビドラマ「贖罪」、映画「岸辺の旅」で黒沢組に参加している蒼井優。「ロマンスドール」に続いて高橋一生が蒼井と夫婦役を演じ、ふたりの心情の変化を繊細に表現。憲兵の分隊長を演じた東出昌大とともに確かな存在感で監督の演出に応えています。黒沢監督は最初から劇場公開も視野に入れて、映画として作り上げていることがうかがえます。スパイものというジャンルの枠組みのなか、超高解像度の撮影でどこまで登場人物の心情を表現できるのか、光と影(闇)を意識し、これまで以上にあえてクラシカルで様式的なリズムに則った演出は必見です。, 黒沢清監督の映画はいつも油断ならない。我々は得てしてカメラのフレームが切り取る四角い空間だけが物語の全てと思いがちだが、黒沢作品はその外側に「世界」があることを囁き続ける。窓から注ぎこむ怪しく優しい光。ゆらゆらそよぐカーテン。気にしなければ気にならないが、気になりだすと目が離せなくなる。この「内と外」をおぼろげな描写でつなぐやり方は、とりわけ本作の物語構造の中で効果的に活用されているように思えてならない。スパイ映画といえば諜報部やボンドを真っ先に思い浮かべがちだが、これは軍靴の音が高鳴る時代、一組の夫婦が真実を世に告発しようとする物語。今どこかで巻き起こっていることは、決して別世界の他人事では済まされないのだ。表と裏、真実と虚構、フィルム、映写機。主役なのに度々カメラの外へ消え去る高橋一生と、カメラの内部に取り残される蒼井優との関係性や互いに寄せる想いが、絶妙な感度で奏でられた逸品である。, 戦争は何が正義で何が悪か?人を狂わせる根源であることは間違いないですね。それぞれが自分の立場、信条に基づいて突き進み、人を拘束し、痛めつけ、騙す。辛い時ですね。, 満州から帰国した夫の態度が以前と急変し、真相を知ろうとする妻。日本のとある行為を告発すべくアメリカに渡り、戦争を煽り日本を敗戦させ戦争を終わらせる?そんな行為にでる夫。昭和の品の良い妻を演じる蒼井優は、その昔見た映画(ゆりあんレトリーバーのよくやる古い昭和の映画にでてくる女優の真似のやつ)みたいな話し方をずっとする。【以下、完全ネタバレ。注意】アメリカに2人、別れて乗り込もうとするが、オイラは妻はアメリカに着くも夫はいつまでも来ない。となるかと思っていた。がそうではなく妻側は密告者により事前に確保された。裏切り者だったのか?愛妻家だったのか?東出の爪剥がしの拷問が痛々しかった, 低予算丸出し、緊迫感も臨場感も迫力も全く感じられない。空襲のシーンも音だけ、所詮テレビ用作品。エンターテイメントが聞いて呆れる。, なかなか骨太な感じの作品で、蒼井優、高橋一生が共演とすると聞き、同じく2人が共演した「ロマンスドール」が凄く面白かったので、結構期待して観賞しました。ちなみにドラマ版は未観賞。で、感想はと言うと、観応えアリの重厚で骨太な作品です。開戦間近の日本が満州で秘密裏に行っていた細菌兵器の研究を偶然に知ってしまった若き貿易商とその妻の物語で、日本が行っていた所業の顛末を世に知らしめようとする為にアメリカに密航しようとストーリーは終始緊迫感が漂う、どっしりとした作品。ロマンスドールでは何処か頼りなさ気でも妻を純粋に愛する主人公を演じた高橋一生さんが今作では成功した若き貿易商の優作を演じてますが、落ち着いた雰囲気に加え頼れる大人の男の雰囲気を醸し出しているのは様々な作品でいろんな役柄を演じてきた賜物。緩急の付いた演技は観ていても安心感があります。でも、蒼井優さんの醸し出す雰囲気はそれよりも一枚も二枚も上手。昭和初期の恵まれた令嬢婦人を演じられてますがもうピッタリ。蒼井優さんの話し方も何処か令嬢っぽいし、品の在る演技と存在感は個人的にはピカイチかなと思います。…この人があの「南海キャンディーズ」の山ちゃんの嫁か…と思うと、未だになんか納得が出来ませんw観応えある作品ですが、個人的な難点を言えば、スパイの容疑を掛けられた夫を救うため、坂東龍汰さん演じる甥の文雄に罪を全て被せ、夫の行動を「売国奴」の所業と言いきった筈の聡子が急に夫の行動を支持する様になった部分の描き方が薄いと言うか、解り難い。聡子が夫の優作の考えを急に理解する所が丹念に描かれていない為、聡子はなにか企んでいるのでは?と終始勘繰ってしまった。そんなドキドキにクライマックスはいろんな結末を考え、その中の選択肢で「こういうラストもあるかも…」となんとなく思っていても、それを目にするとやっぱりビックリ。だけど、その結末で言うと些かタイトルと噛み合ってない感じがしなくもないんですよね。タイトルの意味を深読みするといろんな事を思い巡らせたんですが、意外とあっさりな感じがしなくもないんですよね。聡子の軍部で優作の真意を知った時の「お見事!」はちょっと演劇チック。舞台で観ると栄える台詞なのかもなんですが、映画として観た時に聞くと少し違和感が無い訳でも無いんですよね。その後、気の触れた患者として入院している聡子の没落を観ると「ふりをしているだけ」と分かっても何処かやりきれない虚しさを感じます。同時に優作の聡子への愛は果たして本当だったのか?と考えます。自身の信じる正義を貫く為、聡子を裏切り、同時に売ってしまう。軍に聡子に思いを寄せる泰治が居るとしても、聡子の安全は完全では無い。ドラマ版を見ているとその辺りの説明も補完されているのかもなんですが、映画を観ている限りでは、聡子する裏切ってしまう優作の愛情は何処にあったのだろうか?と言うのが些か難しいと言うか解り難い。最初から国にも聡子にも愛情が無かったと言う風に解釈すれば良いのかもなんですが、優作が終始、謎の人物に映ります。でも、これぐらいのミステリアスの方が個人的には良いかな。黒沢清監督はいろんな作品を撮ってて、結構好きな作品もありますが、個人的に「クリーピー 偽りの隣人」の前科があるのですがw、この作品は十分に楽しめました♪日本の戦前に行った様々な所業の数々はいろんな形で明らかになっていますが、劇中で描かれた細菌兵器の研究は満州で実際あった「731部隊」の事を指しているかと思います。日本が過去に行った行為を今更悔い改めよとは言いませんが、国の行いを憂うが為に裏切り行為を行った者。そしてその犠牲になった人。国を正義を信じた為に盲目に人を裁いた者。それぞれが悲劇的であった事は間違いなく、その犠牲の上で成り立っている今日である事は間違いないかと思います。そんな事を改めてではありますが、じっくりと魅せてくれる作品です。久々に骨太の邦画作品がなんか嬉しい。未観賞の方でご興味がありましたら是非是非♪, 申し分ないけど。アメリカに自由を求める様に描かれていて。そのアメリカが原爆を落とすというカタルシスを個人的は描いて欲しかった。最後蒼井優が海辺で狂気をさらした事で本当に狂ったと思いたい。しかし戦後すぐ渡米すると。何をしに行ったのか説明が欲しかった。夫の死の真相を探るだと思うのだが?反核にしては時期が早い。, 話は割と単純と言えば単純な映画。戦前の満洲で、日本軍の石井(731)部隊の人体実験を目撃した人が、周囲の人に影響を与えていく。黒沢清監督にしては珍しい、史実を元にした映画だ。俳優さんの演技は素晴らしかった。特に蒼井優。神戸のお嬢様をめちゃうまく演じていた。話の中盤で価値観がガラッと変わった後も、いきなりキャラクターの雰囲気を変えている。あれが出来るのはまさに「女優」だからこそ。一般人であんなに人格が変わると逆に怖く感じる。憲兵隊長であるお酒馴染みの「けんじ」のルサンチマンも良かった。蒼井優演じる聡子に恋心を抱いている、という設定だが、たしかに相手はお嬢様で、彼は普通の(・・あるいは貧しい?)家の出身だろう。恋心だけでなく、階級に対する恨みもあったはず。その辺がふんわりと感じられた。これは恋愛映画ではない。最後、聡子の夫、優作の取った行動は、「愛」よりも上位の価値観(正義)が存在する、人はその価値観をより大事だと考えることを示している。宗教を考えればすぐ理解できる。聡子が心変わりしたのも「愛」が理由ではないし。個人的には当たり前のことだとは思うが、恋愛至上主義みたいな気持ち悪い風潮が日本には漂ってるので、良い反証になるのでは?と映画観ながら感じた。最後のどんでん返し含めて、ほんとに「お見事」と言える映画でした。, 戦前のハイソサエティな上流家庭の暮らしぶりが映像化されている。古い洋館に戦前の香り。スパイではないが、義侠心から、満州での日本関東軍による捕虜の人体実験をフィルムに収め公開しようとする夫の貿易家。あくまでも夫を信じながらも浮気の恨みから、同期の軍人にその秘密を話してしまう妻聡子。互いが愛しながらも、心の底で疑いを持つ夫婦同志。夫と地獄におちても一緒にいたい妻聡子だが、夫にまんまといっぱい食わされ、軍事機密の証拠フィルムを恋愛フェイルムに交換されて、戦犯疑惑が無実になる。だが、事実を知って、渡米できず、日本に残った妻の行く先は精神病院。夫に裏切られて悲しくてやりきれず、笑いが止まらないからだ。この国(日本)では、わたくしが、狂っていないことが狂っていることなのです。戦時中の病院での聡子の言葉は重い。まるで横山大観の絵画のように雨あられとふりそそぐ焼夷弾が、幻想的に崩れ落ちる建物とともに美しく抽象的に描かれた。遠藤周作氏の海と毒薬を彷彿させる、生きた捕虜の人体実験、731部隊の細菌実験、おぞましい戦争の傷が、スクリーンごしにモノクロ映像で写されると、この映画のもうひとつの顔が見えるようだ。精神を崩壊させながらもスパイの夫を愛してやまない女の可愛さがたっぷり堪能できる。賢い妻の聡子と夫高橋一生演じるスパイのだましあいも見どころ。重いテーマを扱いながらも絵画的な光と影の美しさにくぎ付けになった。, 台詞、街並みなど1940年の描写は違和感無し。それは俳優陣の力量と、映像技術が噛み合っているからだ。白黒の荒い映像でしか見たことない風景なのに、「今ではない、1940年」が、美しく見えてしまう。主人公の聡子は「不自由無い生活」から「生きた心地がする生活」へと夫により引き摺り込まれてしまう。平和で穏やかな女性が、自分自身の「狂気」を操って変化していく。蒼井優さんは「狂気を演じられる」女優さん、今回も実力を発揮しています、良いなぁ!平和に生きることが幸せなのか?自分の「狂気」を操って生きることが幸せなのか?それは人それぞれです。, 現代ではなく戦争時期の高貴な家庭のセリフ回しが独特で、舞台でも大丈夫と思われるような表現。, 考察なんて出来ません。馬鹿なりの浅い感想です。序盤で「(金庫の)番号は覚えましたっ」と言っていた妻の前で、妻から奪い返した大切な切り札をその金庫に仕舞った辺りから旦那様の策略は始まってたのかしら?と勘繰ってしまいました。旦那様の釣りじゃない…?草壁ヒロコを殺害した犯人もあっさり過ぎて勘繰っちゃう。濡れ衣じゃない…?奥様を泳がそうとした憲兵の濡れ衣じゃない…??奥様が、旦那様と協力するようになった時、(憲兵側について、旦那様を陥れようとしてるのかしら)とも思いましたがそんなことはなかった。最後のテロップで、「で、この夫婦は結局誰が誰を騙したんや…?」と思ってしまいました。私には早い映画でした。陰影の表現は素敵でした。東出昌大の目に光のない役どころは案外合うな…とも思いました。, アメリカが対日石油の禁輸を決めABCD包囲網が完成したタイミング。国際感覚も有る経営者なのに家族や社員に負わせるリスクと得られる結果を見誤ったとしか思えない。おかげで映画に入り込めなくなった。すでに戦争に向かってることは商社ならわかるのではないか。結果論かもしれないが帝国軍の悪行を知ったとはいえあの行動には無理が有るし遅かった。東出君の変な存在感は寄生獣以来の当たり所かも。, 題名からスパイサスペンスかと思わされましたが、どちらかというと、妻の心理を追う人間ドラマのようでした。昭和初期、戦争時代の風景が淡々と描かれますが、やはり不穏な空気を醸し出している映像がよいです。聡子役の蒼井優の演技も素晴らしく、佇まいや口調は時代を感じさせながらも自然で、天真爛漫で凛とした様子は印象深いです。この聡子の変貌振りが、サスペンスというかミステリーというか、見応えがあります。夫・優作役の高橋一生も、本心が分からないミステリアスな雰囲気で、仲睦まじい夫婦のやり取りにも妙な緊迫感があります。憲兵・泰治役の東出昌大は、相変わらず不気味な気持ち悪さ(褒め言葉)が漂い、期待通りで良かったです。クライマックスの、聡子が捕まり証拠のフイルムを憲兵達が見るという場面。なぜか無言でスーツ姿の人々が集まりテキパキと上映の段取りをするというシュール過ぎる描写は笑えましたが、並行して聡子の異様な迫力も伝わってくるという、不思議なインパクトのある場面でした。正直、クライマックスのあたりからは、やっぱり裏切られて悲劇のヒロインで終わりか、と思っていました。しかし、ラストの字幕で、実はこれは聡子も了解済の計画どおり?計画までとまではいかないが聡子はこうなることは覚悟の上?、と、後からじわじわと考えさせられました。ラストの慟哭は、裏切られた悲しさかと思っていましたが、共犯者の罪悪感なのか?と。, あんまり賢く無さげな妻にイラッとしたけど、夫が好きでたまらない、何があってもついて行く、夫を守る為ならなんでもする。そんな可愛い姿に次第に引き込まれてしまった。蒼井優が無邪気な妻を感情豊かに演じていて好きだなー。高橋一生も知的でクール、物事を感情抜きで的確に見る、でも本当は芯は熱い?みたいな素敵な主人公を演じていて、超カッコ良かった。ダメ男やっても、格好いい男やっても、どんな役やっても上手いし素敵!!東出昌大も良かった。格好いい‼︎戦争や暗い時代の映画はあんまり観たく無いけど、俳優3人に惹かれて観て、これは正解やったな。, 蒼井優さんの演技は素晴らしい!一言に尽きます。モノクロ映画のアップは美しいし、憲兵隊事務所での上映後の演技最高でした。しかし、上映会の不自然さとオチ見え見えなのは否めませんが。顔アップが無く、本音が読めない画、1940年太平洋戦争突入前夜の時代背景、面白い脚本でした。高橋一生さん演じる商社マンはアメリカのスパイなんですよね。それでなければ、私には辻褄が合わないのですが。, 【2週間無料トライアル】メジャーからZ級まで世界中のホラー映画・ドラマが《見放題》, 【国内映画ランキング】「鬼滅の刃」3週目で歴代興収ランクTOP10入り、2位「罪の声」は好スタート2020年11月3日 11:00, 「シン・ウルトラマン」は2021年初夏公開! スペシウム光線ポーズ初披露2020年11月3日 15:40, “伝説の殺し屋”再始動! 岡田准一主演「ザ・ファブル 第二章」場面写真初披露2020年11月3日 18:00, 小川紗良、本広克行監督のもとで体得した何気ない演出の凄味2020年11月3日 12:00, 松浦亜弥役はハロプロの新星・山崎夢羽! 松坂桃李がハロオタを演じる「あの頃。」に参戦2020年10月30日 08:00, 劇場版「鬼滅の刃」わずか10日間で興収100億円突破! 「千と千尋の神隠し」を超える日本最速記録2020年10月26日 13:10, 金曜ロードSHOW!で3週連続「エヴァンゲリオン」! 新劇場版「序」「破」「Q」2021年1月放送2020年10月30日 04:00, 三浦春馬さん演じる五代友厚、熱い言葉の数々が溢れ出す! 三浦翔平共演「天外者」予告編2020年10月29日 06:00, “劉備”大泉洋の画像素材を無料開放! 「新解釈・三國志」ポスタークリエイティブ合戦が開催2020年10月30日 10:00, 高橋一生、蒼井優、東出昌大の演技が冴えベネチア国際映画祭の銀獅子賞も納得。会心の黒沢清監督作。, 【国内映画ランキング】「鬼滅の刃」3週目で歴代興収ランクTOP10入り、2位「罪の声」は好スタート, 松浦亜弥役はハロプロの新星・山崎夢羽! 松坂桃李がハロオタを演じる「あの頃。」に参戦, 劇場版「鬼滅の刃」わずか10日間で興収100億円突破! 「千と千尋の神隠し」を超える日本最速記録, 金曜ロードSHOW!で3週連続「エヴァンゲリオン」! 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